平屋住宅で失敗しないためには

平屋住宅の良さが改めて認識されるようになり、ハウスメーカーにおいても平屋住宅のプランが多く提案されています。一般的に平屋住宅のイメージは、暮らしやすさや豊かさという良いイメージで語られることが多く、実際に注文住宅で平屋を新築した人の満足度も高い傾向にあると言われています。
しかし、実際に自分たち家族のライフスタイルに合っているかどうかや、建築コストの観点でじっくりと検討することも重要です。新築後に失敗したと感じることがないように、平屋住宅のメリットとデメリットを熟知しておきましょう。
平屋住宅の最大のメリットは、2階への階段での移動という動線が存在しないことにあります。階段は住宅にとってアクセントとなったり、その下のスペースを収納として有効活用することもできますが、その一方で高齢者や体の不自由な方にとっては2階へのアクセスは困難なものとなりますし、健常者においても転落事故などの危険性は常にあります。平屋住宅では階段そのものがありませんので、転落事故は発生しませんし、どのような人にでも住宅内のどの場所にでも容易にアクセスが可能となります。バリアフリー化もたいへん容易にできますので、将来を見据えたプランニングとしてもおすすめできます。
また、同じ延床面積であっても2階建て住宅より空間の広がり感を得られるというメリットもあります。1坪から2坪ほどの階段スペースが必要ないという点や、横方向への空間の広がりがあるために、実際の面積以上の開放感が実現します。
デメリットについてもおさえておきましょう。平屋住宅では同じ面積の2階建てよりも基礎部分の施工面積や屋根の大きさが大きくなりますので、建築コストが多少アップします。坪単価で考えると1割程度は増えるとみて良いでしょう。また、万が一の洪水災害の場合に2階に避難するという手段が取れないという欠点もあります。これは立地条件によっては心配のないリスクとも言えますが、低地や海岸沿いにおいては一考することも必要です。各個室の独立性という観点からも、平屋建での場合は不利になるケースがありますので、特に年頃のお子様がいらっしゃるご家庭においては思案のしどころです。
上記のように複数のメリットとデメリットがありますので、注文住宅で平屋住宅を新築する際の参考にしてください。失敗しないように慎重にプランニングを行って、納得のいく家造りを楽しみながら行いたいものです。